3階の扉を開けた俺は、差し込んできた陽 の光の眩しさに目を細めた。  そこはいままでの薄暗い部屋とは異なった、 天窓から陽光の差し込む空間だった。  日向の空気と木材の匂い。板張りの床は、 なにかの道場を連想させた。 (ここには、一体どんな刺客がいるんだ?)  緊張に身を固くした、その時だった。 「こんにちは〜っ!」 元気いっぱい。天真爛漫に響いた挨拶の声 に、俺は思わず腰砕けになった。  道場の隅にちょこんと座った、小さな影。  それは功夫着を着た小さな女の子だった。 「上の階へ行きたかったら、アネモネに麻雀 で勝たなくちゃダメだよ?」 そう言って第3の刺客は無邪気に笑った。